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【猿】 『漢字の話T』藤堂明保・朝日新聞社 を参照してください! もと、テナガザルのことだが、のちサルの総称となった。猿はその俗字で、もとは「犬+爰」と書いた。爰という字は、上に爪(手の形)、下に又(手の形)を描き、その間に棒をはさんで、引っぱっている姿である。たとえば、子どもが川におぼれて、中流でアップアップしている。そこで棒を差しだしてつかまらせ、ぐいと引き寄せる。それが援助の援である。 だから爰とは援の原字だと考えてよい。Aひとりの力では足りないとみたときに、BやCの力を上にかさねてやることを助(且とは、上にかさねるさま)というのだが、援とは、中間に物をさし入れて、急場を緩和させることをいう。 してみると、テナガザルを「犬+爰」と呼ぶのは、長い腕をのばして木の枝を引き寄せ、巧みに木登りをするからだろう。木の枝にぶらさがって、落ちそうになる、うまく他の枝を引きよせてその急場を緩和するサルを表すと考えてもよい。『爾雅』という古字書に「よく援するものを『犬+爰』という」と解説しているのが正しい。 長い腕をのばすのを「猿臂(えんぴ)をのばして」と、形容をするのは、テナガザルの姿を思い浮かべた言い方である。 【猴】 猿とともに、猴もまた、サルの総称である。しかしこれは、背をまるくかがめるサルの姿に着目した呼び名であった。 ・・・省略(『漢字の話T』を参照) 「犬+孫」 もと小型のサルのことであったが、「猿」とともに、サルの総称として用いるようになった。 ・・・中略・・・ 「孫」とは、「小さい子ども+細い糸」を会わせて、細小なものを表した字である。マゴは小さい者だから孫といい、他人に遠慮して小さくなることを表すのが謙遜(けんそん)の「遜」ということばである。 人間にいちばん似ている動物といえばサルだが、サルは人間より小さい。いわば小型の人間、まごぐらいの大きさであるので「犬+孫」と呼んだ。 ・・・後略(『漢字の話T』を参照)・・・ (『漢字の話T』藤堂明保・朝日新聞社) より 【申】 さる。十二支の九番め。 ■作物の伸びきった時期。 ※十二支の意味について ▽時刻では、今の午後四時、およびその前後の二時間、方角では西南西、動物ではさるに当てる。 【解字】 会意。もと、いなずま(電光)を描いた象形文字で、電の原字。のち「臼(両手)+―印(まっすぐ)」のかたちとなり、手でまっすぐのばすこと。伸(のばす)の原字。 【単語家族】 電(のびるいなずま)・引(ひきのばす)・呻(シン)(声を長くのばしてうなる)・紳(からだをまっすぐのばす帯)などと同系。 |