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教育催眠研究会・渾沌(こんとん) 漢字質問箱「もくじ」へ! ・・・ もくじ 


(無題) 投稿者:睦月  投稿日:2003年 1月21日(火)13時30分13秒

再度、ありがとうございました。内容の深さに脱帽です。お手数をお掛け致しました。

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「切」について 投稿者:Nothing  投稿日:2003年 1月16日(木)03時00分46秒

■解字
会意兼形声。七は、|印の中ほどを―印できりとることを示す指事文字。
切は「刀+音符七」で、刃物をぴったりときり口に当ててきること。⇒七
■単語家族
切・節・膝・辛・親・新・薪・尽・津 -- 小さく切る
■音
〔1〕セツ(漢音), セチ(呉音)
〔2〕サイ(呉音), セイ(漢音)
■訓
きる, きれる, せまる, きれ, きり
■意味

〔1〕
(1)きる。刃物をぴたりと当て、切れめをきれいにきる。
「抜剣切而啗之=剣を抜き切りてこれを啗ふ」〔史記・項羽〕
(2)(セッス)骨を刃物できったりこすったりして、細工する。
「如切如磋、如琢如磨=切するがごとく磋するがごとく、琢するがごとく磨するが
ごとし」〔詩経・衛風・淇奥〕
(3)(セツナリ)刃物をじかに当てるように、ぴたりとくっついて膚にこたえるさま。
▽今では去声に読む。「懇切」「親切(身近についてゆきとどく)」
「切問而近思=切に問ひて而近く思ふ」〔論語・子張〕《類義語》⇒親・即。
(4)(セツナリ)せまる。片時も休まずせきたてる。すぐ目前にくっついているさま。
▽今では去声に読む。「切迫」
「秋吟切骨玉声寒=秋吟は骨に切りて玉声寒し」〔白居易・酬厳郎中詩〕
(5)(セツニ)痛切にいう、との意から、打ち消しや禁止を強めることばとなった。
けっして。
▽今では、去声に読む。「切不可為=切に為すべからず」
(6)「切脈(セツミャク)」とは、漢方で医者が脈を見ること。
(7)「諷切(フウセツ)」「譏切(キセツ)」とは、相手をちくりときるように攻めてけなすこと。
(8)中国に古くからある漢字音の表記法の一つ。たとえば、東の音は「徳紅の反」「徳
紅の切」のように、徳で子音 t を示し、紅で母音u(ng--渾沌注:発音記号が示せない
のでngで代用)を示す。この発音のあらわし方を「反切(略して切)」という。

〔2〕 「一切(イッサイ)」とは、すべての意。
《日本語での特別な意味》
(1)きれ。布や紙のきれ端。転じて、布のこと。
(2)きり。きれ。くぎれ。「切りが悪い」「幕切れ」

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「親」について 投稿者:Nothing  投稿日:2003年 1月16日(木)02時39分57秒

■解字
会意兼形声。辛(シン)は、はだ身を刺す鋭いナイフを描いた象形文字。親の左側は
薪(シン)の原字で、木をナイフで切ったなま木。親はそれを音符とし、見を加えた
字で、ナイフで身を切るように身近に接して見ていること。じかに刺激をうける
近しい間がら
の意。⇒辛
■単語家族
切・節・膝・辛・親・新・薪・尽・津 -- 小さく切る
■音
シン(呉音・漢音)
■訓
おや, したしい, したしむ, ちかい, したしく, みずから, みずからする
■意味
(1)したしむ。したしい(したし)。ちかい(ちかし)。身近に接している。じかに
   はだ身にふれる。《対語》⇒疏(ソ)(うとい)。「親疏(シンソ)」「親切」
「人之親其兄之子=人の其の兄の子を親しむ」〔孟子・滕上〕
(2)したしく。み
ずから(みづから)。自分でじかに。直接に。《類義語》⇒自・躬(キュウ)。 「親迎」「親
書」「親征(天子みずから征する)」
(3)みずからする(みづからす)。自分で行う。
「弗躬弗親、庶民弗信=躬らせず親らせずんば、庶民信ぜず」〔詩経・小雅・節南山〕
(4)おや。じかに接している父・母のこと。「双親(父母)」
「仁之実事親是也=仁の実は親に事ふること是なり」〔孟子・離上〕
(5)身近なみうち。《類義語》⇒戚(セキ)。「親戚」「六親(父子兄弟夫婦)」
「親戚畔之=親戚もこれに畔く」〔孟子・公下〕
(6)結婚によって縁つづきとなった身うち。
  ▽去声に読む。「親家(婚姻によってできた身うち)」

※《日本語での特別な意味》おや。勝負事や組の主となる人。

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「親」と「切」について 投稿者:Nothing  投稿日:2003年 1月16日(木)02時15分07秒

 大変遅くなりました。仕事の方におわれてしまって、サイトの方への書き込
みができない状況が続いています。
 でも、ここで気分転換をするためにも、こちらへ書き込ませていただきます。
(誘惑に負けただけか? (^^; )

 まず、 「親」「切」は同じワードファミリーに属し、ともに基本義・・・
「小さく切る」、「小間切れ」の仲間です。

「切」は、小さい小間切れに切り離すこと、「親」は「切」の対転にあたり、
直接にひしひしと刺激されること。肌近く密接に触れる肌着を「襯」といい、
死体に近く触れる内がわの棺を「木+親」という。

 中国の「親切」とは、じかに肌身にこたえることをいう。両親や親族は、目
近にいて、その起居言動が、じかに神経に響くので「親」といった。「したし
い」とはその派生義である。

【襯】
■音
【呉音・漢音】シン
■訓
つく
■意味
(1)はだにつける衣服。はだ着。「襯衫(シンサン)」
(2)つく。近くに寄ってぴったりつく。
(3)つけたす。与えて援助する。
■単語家族
親(したしむ、身近にくっつく)と同系。

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Re:親切と深切 投稿者:Nothing  投稿日:2003年 1月 7日(火)04時48分46秒

睦月さんへ。

》いつ頃から親切の字を使うようになったのか

これは、どなたかの書き込みに期待しましょう。

シンセツには、親切・深切・心切などの漢字があてられ、さらには信切という用
例もあるようです。

【用例】
他人同様の私(ワタクシ)をかばって実の母親(オッカ)さんと議論をなすった、その貴嬢
(アナタ)の御信切を聞ちゃ、〔二葉亭四迷・浮雲〕


また、福沢諭吉も深切を使用したということですから、少なくとも、明治時代
までは使用されていたということがいえるでしょうか?
これは、専門の文学者の方に伺わないといけないと思います。

【用例】
独立の気力なき者は国を思ふこと深切ならず〔福沢諭吉・学問のすゝめ〕

さて、肝腎の、「親」「切」の語源ですが、夜明けまでにしなければならな
いことがありますので、明日までお待ちください。

専門家のご投稿を期待する渾沌でした。

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敗北の「敗」 投稿者:Nothing  投稿日:2003年 1月 7日(火)04時30分30秒

■解字
会意兼形声。貝(ハイ)・(バイ)は、二つに割れたかいを描いた象形文字。敗は「攴(動
詞の記号)+音符貝」で、まとまった物を二つに割ること、または二つに割れるこ
と。六朝時代までは、割ることと割れることの発音に区別があった。
「廃」と同じ。ふたつに割るのが原義。
■単語家族
八・別・発・抜・伐・貝・半・班・反・片・辺 -- ふたつに分かれる
の家族。
■音
ハイ(漢音) ヘ,ベ(呉音)
■訓
やぶれる, やぶる
■意味
(1)やぶれる(やぶる)。戦いや試合でまける。《対語》⇒勝。《類義語》⇒敝(ヘイ)。
「東敗於斉=東のかた斉に敗る」〔孟子・梁上〕
(2)やぶる。物事をだめにする。やりそこなう。《類義語》⇒破・廃。「敗事=事
   を敗る」「失敗」
「欲敗従約=従約を敗らんと欲す」〔史記・蘇秦〕
(3)やぶれる(やぶる)。形がくずれる。また、物が腐ってだめになる。「腐敗」 
   「敗屋」
「肉敗、不食=肉敗れしは、食らはず」〔論語・郷党〕
(4)失敗や敗戦。「乗敗=敗に乗ず」

こうしてみると・・・ 「敗北」とは、ズタズタにやぶられ、陣形をくずして、敵に背を向けて逃げること
といえるでしょうか。

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「北」追記 投稿者:Nothing  投稿日:2003年 1月 7日(火)04時09分40秒

天子は南面し、臣下は北面する。

=== 引用はじめ ===

 中国の家はすべて南に入口と窓をあけ、北には背を向けて小さい通風孔をあけるのみである。北方ではことに北風の進入を防ぐため、北の窓を密閉する。そこに住む人間もまた、南を向いて日なたぼっこし、北にはいつも背を向けるのだ。
 とはAとBの二人がたがいに背を向けてそむいた姿を表す字で、とは「背を向ける方角」なのである。
 北 pek(注 e は上下回転)は日本ではホクと音訳し、は、peg
→ pei (注 e は上下回転)と変化したのでハイと音訳するが、本来は北--背は同系のコトバであった。

      『言葉の系譜』(藤堂明保 新潮ポケット・ライブラリ)p.194

=== 引用おわり ===

天子が南面するから、臣下は、本来誰もがいやがって背を向けるに向かって座らざるを得なかったのですね。

これは余談。

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敗北の「北」 投稿者:Nothing  投稿日:2003年 1月 7日(火)03時46分34秒

みなさん、6日は「仕事始め」の方もたくさんいらっしゃったことでしょう。
昨日は「小寒」でしたね。
風邪をひかないように、健康に留意しながらまいりましょう。

まずは、「北」から。

■解字
会意。ABふたりの人間が、たがいに背を向けて、そむいて立つ姿を示す。
背を向けてそむくの意。
また、背を向けてにげる、背を向ける寒い方角(北)などの意を含む。
※動詞としては、背反の(そむく)になり、
名詞としては(せ)となる。
敗けて逃げるには、敵に背を向けるから敗北
■単語家族
背・負・否・剖・倍・副・朋・氷 -- そむく、二つに割れる
の家族。
■音
ホク(呉音・漢音)
■訓
きた, きたする, きたのかた, にげる, そむく, そむける
■意味
(1)きた。寒くていつも背を向ける方角。《対語》⇒南。
「南面而征北狄怨=南面して而征すれば北狄怨む」〔孟子・梁下〕
(2)きたする(きたす)。北のほうへ行く。
「候鴈北=候鴈北す」〔呂氏春秋・孟春〕
(3)きたのかた。北の方角では。北に進んで。「北面」
「北定中原=北のかた中原を定む」〔諸葛亮・出師表
(4)にげる(にぐ)。敵に背を向けてにげる。「敗北」
「三戦三北、而亡地五百里=三たび戦ひ三たび北げて、地を亡ふこと五百里」〔史記・魯仲連〕
(5)そむく。そむける(そむく)。相手に背を向ける。
《類義語》⇒背・倍。

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漢字の成り立ち…… 投稿者:すばる  投稿日:2003年 1月 6日(月)22時46分01秒

未年にちなみ、羊の字に関する質問です。
大きな羊は美しいと言う字になります。これは分かりますが、なぜ羊にさんずいが付くと(洋)太平洋や大西洋など海などに関する大きな意味になり、羊のもつ本来の美しいや良いと言う本来意味とはかけ離れたもののように思えます。
分かりましたら、是非教えてください。

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親切と深切 投稿者:睦月  投稿日:2003年 1月 6日(月)19時25分28秒

日本書紀などには、深切と書く方の字を使ってあるのですが、いつ頃から親切の字を使うようになったのか、また、その語源を教えて下さい。早急にお願いします。

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敗北 投稿者:育子  投稿日:2003年 1月 6日(月)06時43分40秒

’敗北’の語源は、どこからきているのでしょうか。

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