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紀元前の八世紀、周の国の詩人は祖先文王が「霊台」という祭壇を築いて建国のシンボルとしたことを追想して、
霊台を経始し、これを経しこれを営す。
庶民これをおさめ、日ならずして成る。
と歌っている。土木工事や建築を始めるさい、まず経と営という作業を行ったのである。
経の字の右側は・・・
--- 中略 ---
そこで、タテに伸びた草木のクキを茎といい、タテに張った人体のクビを頸という。屈曲した道路をタテにつなぐ近道は径という。・・・
--- 中略 ---
土木工事や建築にとりかかるさいにも、まずクイを立てて、その間にピンと縄を張り渡し、削る所や掘る部分、支柱の位置などの予定をつける。その作業を経というのである。つまり、工事にかかる前の縄張りの作業である。
営はもと營と書いた。・・・
--- 中略 ---
・・・螢の火も同様で、やはりおしりを丸い光の輪がとり巻いている。木蓮や桐の花が満開となると、白い花の輪が木全体をとり巻くので榮という。ふつうのハナは花・華というが、その木全体を外からとり巻いて、ホタルの光冠のように咲く花は栄というのだ。繁栄の栄(さかえる)はその派生義である。
してみると、營もまた建物の周囲に丸い外枠をめぐらすことだ。だから、大将の幕舎の周囲に垣をめぐらしたのを「陣営」といい、外側をヘイでとり巻いた兵舎を「営舎」というのだ。工事の初めに、外枠に縄を張りめぐらしてクイを打ちこみ、全体の大きさ、規模を定める動作が営である。
経も営も、事業の当初に慎重に要所を定め、規模を予定する作業である。
どちらも、周到な事前の準備のことであって、事が起こってからあわてて手当をすることではない。孫子の兵法にまねて、ドロ縄式の奇策を弄したり、伊賀の忍法を学んで産業スパイを試みるなどは、経営の本旨に反することはなはだしい。
<言葉の系譜・藤堂明保・1964年7月25日発行(絶版)>
まず、「経」ですが・・・
ご存じのとおり、これは
字形としては :「まっすぐにとおった織物のたていと」のこと。
ことばとしては:徑(ケイ)(=径。まっすぐな近道)・莖(ケイ)(=茎。まっすぐなくき)・頸(ケイ)(まっすぐな首)・脛(ケイ)(まっすぐなすね)などと同系。
意味は :
(1)たていと ※ヨコ糸=緯 転じて東西を経・南北を緯という。
(2)時代をたてに貫いて伝わる不変の道理。物事のすじ道。
(3)儒教で、不変のすじ道を説いたとされる書。「経書」「五経」
(4)まっすぐとおりぬける。場所や時間をとおりすぎる。「経過」
(5)おさめる(をさむ)。すじ道やたての線を引く。また、転じて、物事の大すじをたてて処理する。管理する。
「経営」「経之営之=これを経しこれを営す」〔詩経・大雅・霊台〕
つぎに、「営」・・・
字形としては :營の上部は炎が周囲をとり巻くこと。營はそれを音符とし、宮(連なった建物)の略体を加えた字で、周囲をたいまつでとり巻いた陣屋のこと。周囲をぐるりと壁で区切ってとりまき、その中に住むこと。
ことばとしては:埒(エイ)(とり巻く)・螢(ケイ)(=蛍。光の輪がまるくとり巻いたほたる)・榮(=栄。まるくとり巻いて咲く花)などと同系。
意味は :
(1)ぐるりをとり巻いて守った陣屋。「兵営」「営舎」
(2)周囲をとり巻く。▽直線の区画を切るのを経(ケイ)といい、外がわをとり巻く区画をつけるのを営(エイ)という。あわせて、荒地を開拓して畑をくぎるのを「経営」といい、転じて、仕事を切り盛りするのを「経営」という。
(3)いとなむ。仕事を切り盛りする。
(4)「営営」とは、ぐるぐる周囲を巡るさま。また、せっせと働くさま。
<出典>
(a)事業をはかりいとなむこと。「経営四方=四方を経営す」〔詩経・小雅・北山〕
(b)土地をはかって縦線と外わくの線とを引く。転じて、土台をすえて建設すること。〔書経・召誥〕
(c)苦心して仕事につとめること。「経営無太忙=経営太だ忙しきこと無からんや」〔韓愈・調張籍〕 ★韓愈
卒論で「経営」に関することを書かねばなりません。
国語辞典(広辞苑など)や漢字辞典で、いろいろ調べたのですが
おおそういうことだったのか!というようなくわしい答えは見つかりませんした。
ですので、下記のこと、よろしければご教授くださいませんでしょうか?
お願い致します。
質問1
「経」の漢字の成り立ちと語源、
「営」の成り立ちと語源は、どうなっているのか?
質問2
かかる言葉が一番最初にでてくる文献は何か?
その文献は,いつ頃、誰によって書かれたものか?
(いくつもの諸説があるようですが・・・ほんとうはどれなのか?)
よろしくお願いします。
ちなみに、ニフティーの会員以外の方は、
インターネットからhttp://www.nifty.ne.jp/forum/fbud/にアクセスできます。
ただし制限があります。
この中に、なんでも掲示板
を発見しました。
ここなら、お坊さん等、専門家が親切に答えてくれるでしょう。
m(^_^)m ひと安心。
FBUDの会議室で検索しましたが、
ヒットせず。全フォーラム横断検索を試みましたが、ほしい情報がありません。
しかたなく、学研漢和大字典を引いてみると・・・
「塔」--形声。「土+音符荅(トウ)」。梵語(ボンゴ)を音訳するためにつくられた字。
梵語(ボンゴ)stupaの音訳語「卒塔婆(ソトバ)」の略。「塔婆」「宝塔」
渾沌注 stupaのuの上に「-」がつきます。
「鉢」--僧侶(ソウリョ)の食器。
▽梵語(ボンゴ)patraの音訳が、鉢多羅であることから。応量器と訳す。
「鉢盂(ハツウ)・(ハチウ)」
渾沌注 patraのaの上に「-」がつきます。
学研漢和大字典、本当にたのもしい字典ですねえ。
杞羅美依瑠さん、はじめまして。
出張から帰り、アクセスログをとっていて、今書込に気づきました。
「塔」は、サンスクリットの「ストゥーパ」の音写だと思いますが
確信が持てないので、niftyの仏教フォーラムで探してみます。
アドレスを見つけたら、メールします。
少々お待ちください。
初めまして。今学校の研究で言葉について調べている杞羅美依瑠と申す物です。
いま、サンスクリット語という言葉にぶちあたっております。
「塔」という言葉や、「鉢」という言葉の語源に当る物だそうですが、なかなか資料がなく、もし資料の心当たり、情報があれば教えて下さいますか?
初めてなのにあつかましいお願いをしてしまいすいません、ではよろしくお願い致します。
Nothing さま
お返事いただき、ありがとうございました。
とってもありがたかったです。
fjn でした。
fjn さん、はじめまして、Nothing と申します。
今、ひと仕事終えて休憩時間に入りましたので、取り急ぎ書き込ま
せていただきます。
「雪」は、「雨+彗(すすきなどの穂でつくったほうき、はく)」の
会意文字で日本語の訓読み(意訳)では、
「ゆき」の他に、「すすぐ、そそぐ」があります。
雪(セツ)は、刷(サツ)(よごれをふきとる)と同系のことばで、よご
れを去ってきれいにする、清めるという意味を表します。
これは、きっと、雪が積もると、一面真っ白になり(雪景色)汚れ
がはらわれたように感じることからきたものでしょう。
雪辱(はじをそそぐ、すすぐ)は、汚れをふきとる(はきとばす)
ように、ハジをぬぐい去ろうとするニュアンスではないでしょう
か?
取り急ぎ書き込みををさせていただきました。
仕事にもどります。また本編でふれることができるかもしれません。
はじめまして。
このサイトは「漢字博士」と検索して
みつけました。
事のはじめは
子供に「雪辱線」のせつはなぜ雪なのか?
と質問を受けたことからなのですが、
なかなか聞ける場所がありません。
もしご返答可能ならば
突然で失礼とは存じますが,
よろしくおねがいします。