庸 |
音 | 【漢音】ヨウ 【呉音】ユウ |
訓 | もちいる, つね, なんぞ |
解 字 |
![]() 庚(コウ)は、Y型に立てたしん棒。庸は「庚+音符用」で、棒を手にもって突き通すこと。 通と同じく、通用する、普通の、などの意を含む。また、用(もちいる)と同じ意にも使われる。⇒庚 ※朱駿声が「用の亦声」であるというのが正しい。〔堯典〕の「登庸」というコトバに見えるように、用と同義に用いる。「中庸」とは、さわりなく通用する意味から「平均してならした」意味となった用例である。 |
意 味 |
(1)もちいる(もちゐる・もちふ)。利用する。採用して働かせる。 《同義語》⇒用。「登庸」 (2)雇い人。《同義語》⇒傭。「庸人(ヨウニン)(=傭人)」 「沢居苦水者、買庸而決竇=沢居して水に苦しむ者は、庸を買ひて竇を決す」〔韓非子・五蠹〕 (3)つね。世の中に通行する、一般なみのさま。普通の。 《類義語》⇒凡(ボン)。「凡庸(ボンヨウ)」 「知其非庸人也=其の庸人に非ざるを知れり」〔史記・荊軻〕 (4)どこでもだれにでも通用する事がら・やり方。「中庸」 (5)ねぎらう。仕事の報酬を出す。「酬庸(シュウヨウ)」 (6)租・庸・調の三つの税の一つ。一定の期間、公の労役に服すること。 ▽そのかわりに、布や米をおさめて代償とすることが多かった。 (7)なんぞ。文頭につけて、反問の意をあらわす。 「夫庸知其年之先後生於吾乎=それなんぞ其の年の生まるるを吾より先後して知らんや」〔韓愈・師説〕 |
家 族 | 通・用などと同系。 |
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