保 |
音 | 【呉音】ホ, ホウ 【漢音】ホウ |
訓 | たもつ, やすんずる |
解 字 |
会意兼形声。 保の古文は呆で、子どもをおむつでとり巻いてたいせつに守るさま。 保は「人+音符呆(ホウ)」で、保護する、保護する人の意を示す。 ▽ホウとは、漢文訓読と地名・年号のほかは、ほとんど読まない。 |
意 味 |
(1)たもつ。外をとり巻いて、中の物をたいせつに守る。「保護」 「保民而王=民を保ちて王たり」〔孟子・梁上〕 曰:「コ何如,則可以王矣?」曰:「保民而王,莫之能御也。」 (2)やすんずる(やすんず)。たもつ。外から守って安全を維持する。「保安」 「父子相保=父子相ひ保んず」〔淮南子・人間〕 (3)(ホウス)・(ホス){動詞}責任を持って請けあう。「保証」「担保」 (4)付き添っておもりをする役。おもり人。 ▽昔、「太保」「少保」という官名があった。《類義語》⇒傅(フ)。 (5)雇い人。かかえ人。「酒保(俗語で、居酒屋の小僧さん。日本では、軍隊内の売店)」 (6)中国の自治制度で、十戸の単位。▽五戸を甲という。「保甲制度」 |
家 族 | 褓(ホウ)(おむつ)・褒(ホウ)(からだを包む大きい衣)と同系。また、包や抱(ホウ)(外から中のものをつつむ)とも非常に縁が近く、宝(たいせつに包むたから)とも縁が近い。 |
解 説 |
篆文では、「乳−乙」であって、手の子供をつつみかくすさまを示す。朱駿声は、保とは「乳−乙」の派生義で、鳥が卵を抱くようにかかえこむ意味であると解する。 「阿保」とは乳母(うば)のこと。人べんをつけた「保」の原義は、子供を抱えて育てるウバのことであろう。 『漢字語源辞典』(藤堂明保・學燈社) |
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