鞠 |
音 |
〔T〕【漢音】キク 【呉音】ギク 〔U〕【呉音】【漢音】キク |
訓 | まり, けまり, やしなう, きわまる, ただす, きわめる |
解 字 |
会意兼形声。 右側の字(音キク)は「米+勹(つつむ)」からなる会意文字で、米つぶをつつんでぐっとまるめることを示す。鞠はそれを音符とし、革(かわ)を加えた字。ぐっとちぢめて、外から包んだかわのまり。躬(キュウ)(かがめたからだ)・窮(かがむ、ちぢむ)は、その語尾がのびたことば。 ※このキクの語尾が弱まってキュウとなると「球」という字で表される。 |
意 味 |
〔T〕まり。けまり。かわで包んだまり。 《類義語》⇒球。「爿鞠(トウキク)(けまり)」 〔U〕 (1)(キクス)からだをまるくかがめる。 《類義語》⇒躬(キュウ)。 「鞠躬(キッキュウ)」(背をマリ型に丸く曲げる) (2)(キクス)やしなう(やしなふ)。 からだをかがめて、保育する。だいじに育てる。 「母兮鞠我=母や我を鞠ひたまふ」〔詩経・小雅・蓼莪〕 (3)からだが小さくちぢまっているさま。おさない。「鞠子(キクシ)」 (4)(キクス)きわまる(きはまる)。しめつけられる。ふさがる。窮する。 ▽鞫(キク)に当てた用法。 「自鞠自苦=自ら鞠し自ら苦しむ」〔書経・盤庚中〕 (5)ただす。きわめる(きはむ)。 罪人をとことんまでとり調べる。問いつめる。▽鞫(キク)に当てた用法。 |
家 族 | 掬(キク)(手をまるくちぢめてすくう)・球(ぐっとちぢめたたま)と同系。 |
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