![]() ![]() 「龍」は平和のシンボルである、というのは陳舜臣 他の部族を武力でもって征服した場合は、相手方のトーテムなどかえりみることなく、自分たちのシンボルを相手方に押しつける。力ずくで併合したのだから被征服者には自分たちのトーテムを使用する自由は与えられない。その例が「鳳」(ホウ・おおとり)であるという。
昨年手に入れた 「龍鳳のくに?中国王朝興亡の源流をたどる(陳舜臣)」 さて、「龍」は、「鳳」とは対照的である。いろんな部族のトーテムが混合し、まかり間違っても動物図巻には掲載されることのない姿となっている。一説によると、龍の姿は「角は鹿、頭は駱駝、眼は兎、身体は蛇、腹は蜃(注)、背中の鱗は鯉、爪は鷹、掌は虎、耳は牛」だという。 つまり、他の部族と融合した結果、次々と相手のトーテムの一部を取り入れ取り入れした結果、このように複雑な姿になってしまった。 だから、「龍は平和の象徴」だと言われるのである。 さて、その龍の字形を見ると、頭に冠をかぶり、胴をくねらせた大蛇(ダイジャ)の形を描いたものであり、「竜」の字の方がもともとの絵文字に近い。これに、いろいろな模様をそえた結果「龍」の字となった。
この「いろいろな模様をそえた」といういきさつは前述のとおりである。 【龍・竜】 【呉音】リュウ 【漢音】リョウ 【慣用】ロウ 【ピンイン】long2 【訓読】たつ 【解字】象形。もと、頭に冠をかぶり、胴をくねらせた大蛇(ダイジャ)の形を描いたもの。それに、いろいろな模様をそえて龍の字となった。 (1)たつ。 大蛇(ダイジャ)に似て、四足、つの、長いひげのある想像上の動物。 雲をおこし雨をふらせ、春分には天にのぼり、秋分には淵(ふち)にかくれるという。 四霊の一つで、えんぎのよい動物。 天子・豪傑にたとえる。「竜飛(天子の即位)」「竜昇」 (2)竜のようにすぐれた。「竜文」 【単語家族】 瀧(=滝。竜のうねるようなたき)・壟(ロウ。竜のうねるようなうね)と同系。 ![]() 【解字】象形。蜃(シン・かい)の原字で、二枚貝が開いて、ぴらぴらと弾力性のある肉がのぞいたさまを描いたもの。 【漢音】シン 【呉音】ジン 【ピンイン】chen2 【訓読】たつ, とき 【単語家族】 振・震と同系。 ◆十干十二支 -- 干支(えと・かんし) |
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