宜 | |
![]() 肉を整然とかさねて、宀(やね)の下においたさま。 神への供物が、形よく整うことを示す会意文字。 <倉頡篇> の「宜とはその所を得るなり」という解釈は、<説文> のものよりも明快である。かどあるさまを意味する点では、義・儀 と同系である。なお、 <礼記、王制> 「社に宜す」。 <爾雅、釈天> 「大事をおこし、大衆を動かすには、必ずまず社に事(つか)うるあり、しかる後、出ず。これを宜という」。 の二条は、宜(供物を整えて祀る)の原義をよく保存した用例である。
※ 『漢字語源辞典』(学燈社) p.592
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音 | 【呉音・漢音】ギ 【ピンイン】yi2 |
訓 | よろしい, むべ, よろしく, べし |
解 字 |
![]() 「宀(やね)+多(肉を盛ったさま)」 で、肉をたくさん盛って、形よくお供えするさまを示す。 転じて、形がよい、適切であるなどの意となる。
(注1) 【宀】 (メン[呉]、ベン[漢] 屋根、おおい) |
意 味 |
(1) よろしい(よろし)。ちょうど適当である。形や程度がほどよい。「適宜」「宜男」 「宜其室家=其の室家に宜しからん」〔詩経・周南・桃夭〕 (2) むべ。当然である。「不亦宜乎=亦た宜ならずや」 「宜乎=宜なる乎」〔孟子・梁上〕 (3) よろしく…べし。したほうがよい。するのがよかろう。 「宜鑒于殷=よろしく殷に鑒みるべし」〔詩経・大雅・文王〕 (4) (ギす)出陣を告げるために、社(土地の氏神)をまつる。また、その祭り。 「宜乎社=社に宜す」〔礼記・王制〕 |
家 族 |
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