大きな古時計 zuzuバージョン(秋田弁)歌詞
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 このCDを買った人は、まずは絶対に歌詞カードを見てはいけない。その理由はあとでわかる。

 私が「大きな古時計 zuzuバージョン」を初めて聞いたのは、一昨年の秋のこと。出張先へ車で移動中。ラジオから「大きな古時計」のメロディーが流れてきた。当時は「大きな古時計(平井堅)」が流行していた頃。私は「ああ、また平井堅か・・・」となかばうんざり。ところが・・・

大きな古時計 zuzuバージョン  イントロが終わり、歌声が聞こえはじめると、

「ん?」なんだこれは!韓国語か?それともフランス語?

 フランス語のようでフランス語ではない。韓国語のようで韓国語ではない。何語だろう?と思いつつ聞きはじめたのだが、とにかくその言葉の美しさに引き込まれてしまう。嘆息の連続。この言葉の響きと、「大きな古時計」のメロディーが絶妙にマッチして洗練された作品となっている。心にしみいる歌声だ。最後まで聞いたところで、

 「大きな古時計の秋田弁盤をお聞きいただきました・・・」

 なに?なになに?日本語だったの???そうか、日本語の秋田弁だったのだ。関東以東の言葉を聞いたことがない私は秋田弁がこんなに美しい言葉であるということを不覚にも知らなかった。思えば一度も東北へ旅行したことがないからしかたがないのだが。

御訛り  しばらくして、CDを買うためにお店をさがしてみたが、どこへ行っても「うちの店には置いていません」。絶対に手に入れたいと思いながら、そのままになってしまっていた。年齢がバレてしまうけど、最近はレコード屋さんというのがないから不便なのよね。

 結局、昨年末にネット上で注文すると、即日発送してくれた。なんとすばやい。

  大きな古時計(ZuZuバージョン)  ←クリック!

御訛りII  最初から、ネットで注文すればよかったのだ。

 届いたCDを、何度も何度もリピートさせてzuzuバージョンの響きを楽しんだ。意味がわからなくてもいい。言葉そのものが音楽的で美しいのだから。完全に古時計のメロディーと融和している。感動的!

 それでも、ふと誘惑にかられ、歌詞カードを手に取る。

 歌詞カードを見て、思わず吹き出してしまった。「うまいっ!」翻訳が絶妙なのです。

 最初のワンフレーズ 大きなノッポの古時計 に相当する歌詞だけでもすごい。同じフレーズに、zuzuバージョンの方は、音節が倍以上もつまっている感じ。次の、

 おじいさんの時計

 に相当する歌詞は、最も美しい部分のひとつだが、これは歌詞カードをみるとほほえんでしまう。「ああ、なるほど」なのだ。「なるほど、なるほど」

 百年 いつも動いていた の部分にも工夫が凝らされている。これも歌詞カードを見なければ何といっているのか聞き取れない。(すごい翻訳だ!)

 おじいさんの 生れた朝に 買ってきた時計さ

 この部分。いい! 断然いい!!

 いまは もう動かない これは通常の翻訳だと、ひらがなで10文字。

 ところが、zuzuバージョンの方は、ひらがなにすると、なんと、22文字なのだ!!

 きわめつけは、1番と2番の間にはいるセリフの部分。歌詞カードを見るまでは、これは意味のない言葉で、たぶんフランス語風にデタラメなことを言っているのだろうと思っていた。なにせ「japon ジャポン」「ケスク デコール」などとフランス語風の単語が聞こえるものだから・・・。

 ところが、さにあらず。歌詞カードを見ると「!!!」息をのんだ次の瞬間から抱腹絶倒。笑い転げてしまう。

 是非CDを購入して歌詞カードを見ていただきたいのだが、注意が必要だ。CDを聴く前にこの歌詞を見てしまってはいけない。何度も何度も、この歌の響きを楽しんだあとでこの歌詞を読むと、もう一度楽しめる。「ひとつぶで2度おいしい」というキャッチフレーズがあるように、この曲は、まず言葉の美しさに感動し、歌詞カードを読んで抱腹絶倒するという通常のCDの2倍以上も楽しめる構成になっている。さらには、すべての曲のカラオケバージョンもついているというサービスぶり。すごいCDが世に出たものだ。

 2番へと聴きすすむと、これでもかこれでもかというほど洗練された言葉の洪水。

 何でも知ってる古時計  おじいさんの時計
  きれいな花嫁やってきた  その日も動いてた


 言葉の洪水は、この部分で最高潮に達する。快感が全身をよぎる。通常の歌詞ではここまでの感動は得られない。

 ちょっと入力疲れてきたので、続きはあとにします。私のサイトに「大きな古時計 秋田弁」とか「大きな古時計 zuzu」などのキーワードでアクセスする人が跡を絶たないので、アップしようと思い立ち、ズルズルと月日が流れて2005年になってしまった。でも、今日も上記のキーワードで私のサイトを訪れる人がいるのですよ。

 つづく  
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