教育とは? -- 教 |
早く生まれたおかげで、経験において「一日の長がある」ならばそれを「先生」と呼ぶ。おそく生まれた年少者は「後生」と呼ぶ。そこには生活の長さの違いがあるだけで、同じ年月を積めば「後生畏るべし」というほどの進境をみせるかもしれない。青年の夢を育てよ。これが孔子学団の師弟の関係であった。
こうして先生と後生との間には不断の交流が行われる。それが教という動作である。
教という字は「攴(動詞の記号)+音符(爻+子)」からなる。このあとの部分は「メメ+ 子」からなり、重要なのは「メメ印」の個所である。これはいうまでもなく、××型に 次々とクロスすることを示す。つまり交流の交と全く同じコトバである。
親と子の間における暖かい交流を孝(一方交通ではありません)といい、先生と後生の間における知恵の交流を教というのであって、交―孝―教は、すべて同系のコトバだと考えてよい。教の字の右側は、改―政―攻などの右側と同じく、広く動作を表す記号である。つまり教とは、「不断の交流を行う動作」なのである。
いっぽう育とはどういう意味であろう。
(後略)
・・・「育−するりと抜け出る」の家族の解説をお楽しみに!
「言葉の系譜」藤堂明保より引用しました。
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